やっぱナマが一番

去年の出来事ながら一応まとめておきたくなった!
夫がPCR検査を受けた話。

私は体調不良でも食欲がかなり旺盛な方で、熱が38℃あろうとむしろ普段より食べているのでは?ぐらいの量を、しかも脂っこいものやジャンクフードを好んで食べる。体調不良の時こそエネルギーを摂取!喉が痛い?油と水で潤す!熱がやばい?熱エネルギー消費だ、カロリーを補填しろ!とまあ普通は病気の時にカルボナーラやカツ丼は食べないそうですが、私は食べる。食い意地がすごいのもある。食べられなかったのは子どもの頃インフルエンザにかかった時と産褥期のみだ。
夫は体調不良になりそう、と思ったら爆発的に食べて体を元気にしようとするが、なってしまったら食欲が減退する、これは普通のタイプだと思う。

そんな夫と酒を交わした。
子どもが産まれ、預ける先のない我々がバーに赴けるのは10年以上は先だろうと思い至ったので、じゃあ好きなお酒を買って家で楽しもうという考えだ。
この時、2人とも体調不良の最中だった。

前日の金曜日、私は体調が優れず病院に行くことになった。COVID_19の代表的な症状などとは全く関係なかったので診察はスムーズに済んだ。その間夫に子をみてもらうため、仕事を遅刻してもらった。私が帰宅し、夫は出勤していった。
翌朝、私は薬で快調になっていたが、夫は明らかに体がぽかぽかしていて目もおっとりしていた。測ってみたら微熱があった。
夫は水曜日頃から喉がいがらっぽく、鼻水も増えていたが、冬気候になり乾燥しだすといつものことなので気にしていなかった。しかし発熱したとあれば話は違う。夫は代謝がよいので、病気のためなのかたまたまなのかの判断がつきにくい。おでこで測る非接触式と、脇で測るものとで計測したが差がありすぎて(±3℃あった)わかりづらい。味覚や嗅覚はある。いたずらに受診するのも憚られたため、休日の間は様子を見て、月曜の朝にまだ熱が下がらず不調であれば病院へ、と方針を決めた。
その夜、子を寝かしつけつつ夜泣きに対応しつつ「アルコール消毒だ!!ワッハッハ!!」と言いながら好きなカクテルを作って飲んだ。馬鹿だと思われそうだけども私達はよくやるし、それで本当に回復することもある。ゴッドファーザーとゴッドマザー、ステアだけで作れて甘いお酒が好きな私達の大好きなカクテル。ブルーチーズやチョコと楽しんで眠りについた。

結局月曜日になっても熱は曖昧で、病院に向かった夫は、その場での血液検査ではCOVID_19ではないと断言できないと言われ、大きな病院で抗体検査・PCR検査をし、結果が出るまで自宅にて隔離待機となった。私は夫が帰宅するまでに隔離するために、必要そうなものをすべて寝室に運び入れ、家中を可能な限りアルコール消毒した。万が一家族全員が感染していた時のために子のミルクやおむつ、レトルト食品など備蓄品に不足がないか確認もした。

幸い感染はしていなかった。
気が抜けたのか私は今までめちゃくちゃ睡魔に襲われている。

もしもこれで感染していたら?
入院していたかもしれないし命を落としていたかもしれない。我々は無事でも子が、子が無事でも我々が。我々が無事でも我々への感染元だった人や我々から感染した人は?
様々な可能性があったと思う。
できる限りの感染対策はしてきたつもりだった。
買い物したものは食品OKのアルコールで消毒していた。コンビニなどで買ったものは食べる前にパッケージを消毒もして、宅配便にもスプレーを噴霧して3日は放置する。どうしても行きたかったイベントの食事はテイクアウトした。外出先で誰かの飛沫に触れた可能性(例えば椅子に座ったり近くで誰かがくしゃみをしたりして)があれば帰宅後即着換え、即シャワー。
思いつく限りはやってきたけれど、この結果だ。
もしもっとこうすべきだと言う点があれば教えてほしい。

感染していたらあの酒盛りが2人の幸せな最期の晩餐だったかもしれない。
感染していなかったのは心の底からよかった。
けれど、恐怖のあまり何もできないのもとてもかなしいことだと思う。

対策と息抜きのバランスが本当に難しい。
きっと家から一歩も出なければ心がやられてしまうだろう。恐怖のあまり、仕事に向かう夫に刃を向けるような考えに陥りたくもない。たくさんの人と、仕事ではなく遊びで会っている人がいる。その人を責めたくはないが、関わるのは避けたいと思ってしまう。できることなら私だって会いたいし楽しみたい。けれどその選択の結果が最悪の事態をもたらしたら、と思うといまいち乗り気になりきれない。外に出れば事故に遭うかもしれないしそんなこと言ってたらキリがないと言う人もいるが、それとは少し違う。今の状況で複数人と度々遊んでいる人に会うのは、わざわざ車に轢かれに車道に出ているような気持ち。

何がベストなのか本当にわからないし、後悔しないように選択する判断がしんどい。これからもしばらくこの状況は続くだろう。つつがなくやれるだけのことをやっていくしかない。途方もないけれど、人生って元々そういうものだよなあと思ったりもする。人間の歴史はこういった局面が多々あったんだろう。極端な話、できることは精一杯やって、やりたいことはしっかりやって、後は野となれ〜〜といった心持ちになりつつある。

とりあえず、今食べたいものを体調不良にならずに正常な味覚で楽しめるようにがんばりたい。